ROMAN JEHANNO

日本の職人を撮る

富士山のふもとで働くウイスキーブレンダーのマスター。伝統的な能面師。そして山林に住む竹籠織り職人。彼らは、フランスの写真家、ローマン・ジェハノが日本を旅する写真撮影の間に出会った才能のある職人たちのほんの一例です。 ローマンはH6D-100cを使って、東京、京都、大阪、宮崎、浜松、御殿場、そして伊那に旅行し、33人の日本の職人の肖像画を彼らが最も輝く姿で撮影しました。美しくバランスのとれたライティングを行い、ローマンは職人と彼らの環境と調和させ、彼らのダイナミックな職場へ見る者をいざないます。

© ROMAN JEHANNO
山本晃久氏は伝統的な仏閣で使われている銅鏡を手作業で作っています。

計画を立てる

日本に飛び立つ前に、ローマンは写真を撮りたい職人を徹底的に調べ、選び出しました – たまたま職人を知っている日本の誰かのつてや、別の話題で見たウェブサイト、Instagramのアカウント、ブログ、 テレビ番組、雑誌の記事を通して、彼がプロジェクトに合った人物を見つけるまで長い時間をかけて探しました。

日本語でコミュニケーションをとることができなかったので、ローマンはパリの友人に協力を求め、職人に連絡し、プロジェクトを説明し、そして撮影の予定を立てるのを助けてもらいました。撮影現場では、通訳者がローマンに同行し、彼のクリエイティブな考えを被写体に伝えられるようにしました。

ネオンサインデザイナー

高橋秀信氏は横浜でハンドメイドのネオンサインをデザイン・制作しています。 彼はまず、作品の外観を描きます。それから炎の中でガラス管を曲げます。息でチューブの内側の圧力を管理して、チューブの内側と外側の熱のバランスを保ちます。 展覧会のための個人的な作品を製作したことで、彼はさらに大きな商業用ネオンサインを製作できるようになりました。

竹籠織り職人

職人げん氏は彼自身の会社、Gentakeを創業して、竹から手織りのバスケットとバッグを作っています。 彼は浜松の近くの山の森の中にある、人里離れた伝統的な家に住んでいます。

生け花草月流師範

Junko Okimoto氏は生け花の師範です。彼女は滋賀県にある1300年前の寺院に住んでおり、そのお世話もしています。

ライティング

ローマンの作品の重要な部分として、光と影の芸術的なコントラストを使い、職人の仕事環境の細かな様子を見失わないよう、主題を繊細に浮き彫りにした点があります。これを実現するために、ローマンはメインライトに2つのブロンカラーSiros L(400Jと800J)と90×120ソフトボックスを使いました。補助光には60×60ソフトボックスを組合せました。

© ROMAN JEHANNO
日置あつし氏は、俳優でありダンサーで、伝統的な踊りのテクニックと、より現代的なスタイルを組み合わせています。

能面師

能面師の中村光江氏は京都で働いています。彼女はまた、自らが運営する学校で能面の制作を教えています。

ウィスキーブレンダー

国際的に知られ、表彰を受けたウイスキーブレンダー、田中城太氏は、富士山の山麓にあるキリンの富士御殿場蒸溜所でマスターブレンダーとして働いています。

H6D-100cは広い視野や非常に暗い場所であっても、莫大な情報量を扱う機会を私に与えてくれました。これはこのプロジェクトにとって非常に重要でした、なぜなら私が作り出した光は現場の光と共存する必要があったからです。

ローマン・ジェハノについて

17歳から写真撮影に魅了された、フランス人写真家のローマン・ジェハノは、パリを拠点とする写真学校Gobelinsを2008年に卒業しました。 そこで、彼のクラスがハッセルブラッド503CWカメラで撮影していたため、ハッセルブラッドを知ることになりました。2014年に、ローマンは一般部門でハッセルブラッドマスターの名誉あるタイトルを獲得しました。彼のプロジェクトの多くの作品はこちらからご覧ください。

DISCOVER THE H6D-100C

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