H6D-400Cマルチショットの画像を元に製作された3D インタラクティブモデルでレオナルド・ダ・ヴィンチの初期作品がデジタル復元技術を駆使し再現される

ボローニャ大学の建築学部は、H6D-400cマルチショットと独自に開発したソフトウェアISLe(InSight Leonardo)を組み合わせ、レオナルド・ダ・ヴィンチの初期のスケッチの一部をデジタルバージョンとして再現し、何百年も前の芸術作品の3Dモデルを作成しました。これらのデジタルレンダリングは、レオナルドの描いた絵の本当の色、インクのさまざまな色合い、チョークと金属の先端部分、さらには紙の破れやすい表面の感触など、非常に詳細な情報を有しています。大学の建築学部でソフトウェア開発を担当する研究メンバーのAndrea Ballabeniが、アートキュレーターや歴史の専門家がレオナルド・ダ・ヴィンチの作品をさらに分析する上で、非常に価値のあるツールとしてH6D-400cマルチショットが具体的にどのように役立っているかを語りました。

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写真を使用して芸術作品を再現する際に最も難しい要素は何ですか?

写真を通じて芸術作品を再現することは、常に困難な作業です。特にレオナルド・ダ・ヴィンチの作品を扱うときは非常に複雑になります。描画、スケッチ、および下書きは、A4よりも小さいサイズの破れやすい紙の上によく描かれています。ストロークは非常に細く鋭く、ペンとインク、赤と黒のチョーク、金属の先端でなぞられています。小さなサイズにもかかわらず、細部の情報量は膨大です。

ボローニャ大学の建築学科は、マルチショットカメラを使用して、どのようにダヴィンチ作品の3Dレンダリングを作成したのですか?

私たちの研究チームは、ISLe(InSight Leonardo)と呼ばれる手法を開発しました。これは、無理のない方法でアートワークを取得し、3Dモデルでデジタルに複製することができます。 レンダリングは、3次元であることに加えて、図面の色だけでなく、表面の不規則性、粗さ、インクの鏡面性も忠実に再現します。レオナルドの作品を表現するために、50 mmの解像度に達する、色再現の正確さのための最先端の技術を使いたいと考えました。

この手法では、特別な照明条件で複数の高解像度画像を撮影します。次に、多数の画像を使って、描画の表面の写像と3次元形状のシートを作成します。3Dモデルが完成し、そこにアートワークの複製が投影されると、シンプルなユーザーインターフェイスのタッチスクリーン式コンピューターで簡単に操作することができます。

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これらの芸術作品を効果的にデジタル再現する技術には、どのような基準が考慮されなければいけないのですか?

この手法は2つの範例に基づいています。1つ目は、「その絵がまるで、あなたの手にあるかのように感じることができるようにすること」です。 つまり、デジタルモデルは、ピンチ操作でズームしたり、画面上で手を動かしてピックアップしたり、回転、さらにシートを反転したりするなど、私たちが日常的に携帯電話でやっているようなシンプルで馴染みのあるジェスチャーを使って、インタラクティブにタッチパネル上で簡単に検索や調査ができる必要があります。

2つ目は、「肉眼では見えないものを見せる」です。 これらの描画は、通常安全な場所に保管され、一般の訪問者はアクセスできません。これらの信頼性の高い、インタラクティブな要素を持つ複製は、それらの作品を研究し、よりよく理解したい専門家と、作品に高い関心を持つ人々の双方にとって素晴らしい機会を提供します。

最も重要なことは、効果的な複製のためには、解像度と色の忠実度の両方の点で写真の品質が大きく影響するということです。

その点、マルチショットは私たちのニーズにぴったりでした。レオナルドのオリジナルは32300 x 17400ピクセルで撮影されており、私たちが目指す50 mmの解像度に達する(さらには超える)ことができます。その上、色をキャプチャするセンサーの能力は驚くべきものです。再現の色精度を測定するためのX-Rite Colour Checker Classicと、色補正のためのSHAFTと呼ばれる社内ソフトウェアを使った結果、平均ΔE00エラーが約0.89に達しました。これは、20年におよぶこの分野での経験の中で、私たちが達成したまさに最高の結果です。

PRESERVING ART HISTORY

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