金澤正人

ニューノーマルヌード

2021-10-26

日本の広告撮影の第一人者として資生堂のクリエイティブの撮影を手掛けながら、ご自身の作品のプロジェクトでも精力的に活躍されている金澤正人さん。今回は907X 50Cを使って今の時代への想いを込められた作品を制作されました。

Covid-19は私たちの環境や常識を大きく変えるほどの影響を与えました。

時代の変革と言っても良いでしょう。 フォトグラファーはその変革期の中で新たな表現を模索し、チャレンジしていく姿勢が必要だと感じます。

コロナ禍で変容した部分をニューノーマルという言葉で表すようになりました。その代表なのがマスクを着用するという事だと思います。

マスクはすでに私たちの生活を維持するために欠かせないものになっています。私はそのことを表現するために、マスクを付けたままのヌード作品を制作しました。 マスクがあってもすでにそれは自然なことで裸の一部となってしまっているのだと思います。 そして、ウィルスの象徴としてレーザー光をモデルに照射しました。

ウィルスと共存し、ニューノーマルを生き抜くということがテーマとなっています。

今回ハッセルブラッド907XにXHコンバーター0,8とHC100ミリf2.2を装着したものをセレクトしました。 非常にコンパクトなボディは現場での圧迫感も少なく、背面モニターでの設定も前機種CFV50Cから比べると非常に操作のしやすいものに変わっていました。

残念ながら私のレンズは旧型のためAFにはならなかったのですが、その他は完璧に907Xと連動していました。暗いスタジオでピントを合わせるのにもワンタッチで画面拡大ができ老眼の私でもピントの心配をせず撮影に集中することができました。

そして、今回の撮影で特筆すべきことはPhocusです。

ストロボと併用してレーザーポインターをモデルに照射しての撮影のため、長時間露光が必要となります。 私は通常テザーソフトを使用して撮影をすることが普通となっているのですが、長時間露光でも瞬時にモニター上にプレビューされているのには驚きました。

カメラからモニターに顔を向けるスピードより早くプレビューされています。

この点も私の撮影スタイルの邪魔をしない優秀な機能だと思います。

907Xを手に入れたことで今まで持っていたHマウントのレンズやV マウントのレンズの資産も活用でき、表現の幅も大きくできることが期待できるのではないでしょうか。

私はこの非常にユニークで可愛いシステムが大変気に入っています。

作品初出:玄光社コマーシャルフォト2021/4号

【プロフィール】

金澤正人

経歴:

1967年 東京生まれ

1988年 東京工芸大学短期大学部卒業

同 年 株式会社資生堂宣伝部(現・宣伝・デザイン部)入社

以降、同社の数多くの広告に携わる

桑島智輝

Tomoki Qwajima

1978年岡山県岡山市生まれ。写真家。
2002年に武蔵野美術大学卒業後、鎌田拳太郎氏に師事。
2004年に独立後、雑誌やタレント写真集、広告で活躍している。
2013年に、約2年半の安達祐実を収めた写真集「私生活」(集英社)を発表。
2019年に写真集「我我」(青幻舎)、2020年に写真集「我旅我行」(青幻舎)を発表。

使用機材:X1D II 50C

Instagram @qwajima

Website https://qwajima.com/

TAKAKI_KUMADA

XHコンバーター0 ,8で撮る

ファンタジー調ポートレート

長年のHシステムユーザーとしてコマーシャルフォトの第一線で活躍され、最近では907Xも導入いただいているフォトグラファーのTAKAKI_KUMADAさん。今回はXHコンバーター0,8を手に、その世界観を自由に表現していただきました。特別な撮りおろしの作品をKUMADAさんによる新しいコンバーターのインプレッションと合わせてお楽しみください。

TAKAKI_KUMADA

2004年独立。

モード誌、CDジャケット、広告のほか、ファッション・ムービーやCFの撮影も手がける。

使用機材:

907X

CFV Ⅱ 50C

H5X

H2

503CW

500C

Website : takakikumada.com

ロレンツォ・バラッシ

LORENZO BARASSI

ミラノのデザイン学校を卒業、1995年よりアシスタントとしてカメラマンに従事。1998年、ミラノで自身のスタジオを構え、広告、ファッション、雑誌、CDカバー等のフォトグラファーとして活動。2002年よりフリーへ転向、2008年より現在も東京をベースに広告、デジタルクリエイターとして活動。2011岩手県陸前高田にて、Italians For Tohoku (東北復興のためのイタリア人会)の一員として支援活動を行う。2016年より日本製ドレスブランドのデジタルプロダクション(ウェブサイトやソーシャルメディア等)マネジメント等も手掛ける。照明を駆使したアーティスティックな作品を得意とする。

使用機材: X1D-50c, H4D-40

Website: https://www.lnz.it/

Instagram: @ellennezeta

戎康友

YASUTOMO EBISU

写真館を営む祖父と父の影響で日本大学芸術学部写真学科へ進学。卒業後、写真家として独立。

アメリカやヨーロッパを旅しながら現地の人々を撮影した ポートレイト作品を発端に、ファッション誌のエディトリアルや広告、 アーティストまで、ポートレイトを中心に活躍。

使用機材: H6D-100c, X1D II 50C

Website: http://www.ebisuyasutomo.com

Instagram: @yasutomoebisu

濱村健誉

Kiyotaka Hamamura

1986年山口県下関市生まれ。文化服装学院を卒業後ロンドンへ渡英。

ドキュメンタリーを中心に撮影後、帰国しイイノスタジオで勤務。

その後ニューヨークへ渡米。自身のアートワークとMagnum Photosでのインターンを経て、現在東京をベースに活動中。

使用機材: H6D-50c, X1D ll 50C, Hasselblad 553ELX, 500C/M, 555ELD,

Website: https://kiyotakahamamura.com

Instagram: @kiyotakahamamura