ハッセルブラッド H6D-100C

日本画の最大規模の展覧会「院展」の

図録の作成およびアーカイブ化に活躍

Requiring the highest quality, the H6D-100c was used to create and archive the catalogue for the Inten exhibition, an open call for Japanese style paintings held and run by the Japan Visual Arts Academy (“Nihon Bijutsuin”).

内閣総理大臣賞 神々の視座・(同人)井出康人
日本美術院賞(大観賞)夜宴・𠮷村佳洋

院展の概要について教えてください。

公益財団法人日本美術院が主催運営している日本画の公募展覧会で、春と秋の年2回開催しています。春の院展は800点ほど、秋の再興院展には500点近くの作品応募があり、日本画の展覧会としては日本最大の規模を誇ります。

院展を主催運営している日本美術院は、1898年(明治31)に、新時代における日本美術の維持と開発を指標として、東京美術学校(現・東京芸術大学美術学部)を辞職した岡倉天心が、橋本雅邦、横山大観、菱田春草、下村観山らと創設した研究団体です。再興院展は1914(大正3)年の日本美術院再興開院から今年で105回となります。

日本美術院賞(大観賞)夜行<やぎょう>・木下千春(無鑑査)

入選作品を集めた図録の撮影にハッセルブラッドH6D-100cをお使いいただいています。図録では、作品の色を忠実に再現することが求められますが、どのような点に気を使って撮影されていますか?

院展の図録の撮影以外に入選作品のアーカイブとしてもハッセルブラッドH6D-100cを活用しています。これら250〜300点に及ぶ絵画を撮影していくわけですが、まず初めに光源にも最新の注意を払っています。色は光源によって見え方が異なるため、基準となる太陽光にできるだけ近づけるよう、照明用のストロボ、撮影した画像を映し出すディスプレイの色も調整し、印刷まで一貫した色の環境で可能な限り作品に近い色再現で作業できるよう努めています。

そして実際の撮影の際は、エックスライト社のカラーチェッカーを使用し、この作業の光源下で色が正確にデータとして取り込めるよう確認を行います。ハッセルブラッドの画像処理ソフトウェアPhocusでは、撮影画像から自動的にカラーチェッカーを認識し、データの色を最適化する機能があります。

Phocusでは一度画像に加えた調整や設定は撮影中リアルタイムで次のカットに引き継がれていきますので、図録やアーカイブのような大量の撮影のワークフローにおいても有利です。

実際の図録の撮影では、このカラーチェッカーを基準にPhocusのリプロダクションモードで撮影を行います。リプロダクションモードでは取り込んだカラーチェッカーのデータを基に各色の相互関係を保ちながら撮影ができるので、美術品のアーカイブのような作品のありのままを写すことを求められる撮影でも、被写体の本来の色から色相がずれることなく絵作りができます。

このように被写体の情報を忠実にあますことなく取り込み、そこから本来作家の方が表現したかったレベルが実現できるよう編集のベースのデータを作成します。

奨励賞 ミゼレーレ・岡田眞治

作品の撮影におけるハッセルブラッドの利点を教えてください。

図録など出力のサイズが小さくなる時、また印刷で表現できる色域がモニター上とは異なることによって、色域が狭くなり印象が少し違うな?などという場合は、先ほどのデータを基に編集を行うことになります。ハッセルブラッドの中判センサーで得られるRAWデータは補正に対しても耐性が強く、Phocus上の処理で使用されるハッセルブラッド独自の色空間と相まって、補正後も色転びやトーンジャンプのような劣化がほとんど起きないことは大きなメリットです。

さらにはPhocusの機能として、EIZOのセンサー内蔵モニターと連携し自動でハッセルブラッドの色空間に最適化された色調を設定する機能もあるため、このような色の見え方の要求度が高い撮影でも、ワンストップで設定が可能です。

他にもPhocus上でライブビューの機能もあるため、絵画のようなピント面がシビアな被写体でも、大きなモニターでのピント合わせができるのも魅力です。

このように中判デジタルといってもただ解像度が大きいだけではなく、アーカイブ撮影のようなニッチな撮影にも対応したワークフローが用意されているのはハッセルブラッドを使う大きな利点だと思います。

奨励賞 白兎予祝<はくとよしゅく>・川﨑麻央(無鑑査)

Shoot with the highest quality

More Hasselblad stories

All stories

Ottavio Giannella

眠りから覚醒する、大地の生命力を捉える

フォトグラファーOttavio Giannellaは、X1D II 50Cを持って、イタリアからドイツのフランクフルトへ移動した後、アイスランドのケプラヴィーク空港へ飛びました。40分かけて車でレイキャネス半島にある丘まで行き、2時間かけて徒歩で、目的地であるファグラダルスフィヤル火山まで向かいました。

Dayanita Singh

本、箱、美術館 - 様々なカタチで再構築される展示

10月15日、ハッセルブラッド財団が主催する2022年ハッセルブラッド国際写真賞が写真家ダヤニータ・シン(Dayanita Singh)に授与されました。写真界の「ノーベル賞」と称されるこのハッセルブラッド国際写真賞は、アーティストの写真芸術における先駆的な功績と、その芸術作品が次世代のフォトグラファーにもたらした影響について称える賞です。

Ali Rajabi

X2Dで、ニューヨークの一瞬を捉える

写真の歴史を築いてきたと言っても過言ではないハッセルブラッドは、アマチュアでも、写真を趣味としている人でも、プロでも、誰でも知っているブランドです。私にとって、ハッセルブラッドカメラは、キャリアアップするための自分への投資とも言えます。卓越した写真を撮影するためには、適切な瞬間に適切なツールを使うことが、どんなときも大切ですから。

Hans Strand

1億画素センサーで捉えるアイスランドの情景

バイオリニストにとってのストラディバリウスと同じで 二つとない最高のカメラです。

Flora Borsi

X2Dが描き出す、幻想的なリアリズム

X2Dは、画家のために設計されたカメラのようなものです。このカメラで撮影した写真は、まるで技法を凝らせて描きあげた絵画のような味わいを持っています。あまりにも完璧すぎる故に、それが写真なのか絵なのか見分けるのが難しいときもあるほどです。このカメラは、捉えられる視覚情報を全て捉えて再現してくれるため、私が伝えたいストーリーを残さず伝えてくれます。

Heath Holden

Disappearing Doha

Discovering his new home of Doha, Qatar through the lens of street photography, Heath Holden explored the older and more traditional neighborhoods of the historical city.