Douglas Kirkland

マリリンとの夜、ヴィクター・ハッセルブラッドに呼び止められた日

Monroe and Kirkland, 1961
© Douglas Kirkland / Iconic Images

ダグラス・カークランドは「ハリウッドのお気に入りの写真家」と呼ばれてきました。彼はこれまでに撮られたマリリン・モンローの写真の中でも最も官能的で忘れられない一枚のシャッターを押した男でもあります。50年以上経った今でも彼の写真は、セクシーなエネルギーと共鳴しています。彼はその撮影の時の様子、部屋で彼とヌードのマリリンだけになるまでのこと、彼のハッセルブラッドが忘れられないこれらの写真を撮る準備をしていたことをまるで昨日のことのように思い出します。そしてこれは伝説的な話ですが、実はその前に、ダグラスはヴィクター・ハッセルブラッド自身と出会う機会がありました。

ヴィクターとの出会い

「それは私のキャリアおいて非常に早い段階でした。」と彼は回想します。「私はカナダで生まれ育ちましたが、写真のキャリアを本格化させるには、ニューヨークに行かなければならないと思っていました。私はニューヨークに到着して、偉大なアーヴィング・ペンのアシスタントとして就職しました。そこはカメラを学ぶための素晴らしい場所でした。」1年後、彼は雑誌ポピュラー・フォトグラフィーでいくつかの作品を出しました。彼の初仕事は、ハッセルブラッド500Cとレンズ一式をテストすることでした。「私がやろうと思った方法は、ニューヨークの夜にデパートの窓を撮影することでした。」と彼は言います。「私はそのカメラをすぐ気に入り、20代の若者として、この素晴らしいキットを使って作業する機会を楽しみ、そして、すべてうまくいっていました。すると、その日の夕暮れ時に、紳士が近づいてきて、私に向かっていくつかの質問をしました。」

「彼はカメラに大変関心を示し、私がカメラついて何を考えているのか知りたがり、興味深く聞いてきたことを覚えています。私は情熱をもって、この経験がどれだけ楽しいかについてとても細かく説明しました。彼は少し笑って言いました、“私がこのカメラを作ったので、あなたがそれを気に入ってくれて本当に嬉しいです。私の名前はヴィクター・ハッセルブラッドです!”そして、彼は歩いて立ち去り、夜の街に姿を消しました。」ダグラスがこの夜出会った人物が間違いなくハッセルブラッドの創業者その人であることを知るのはそれからさらに1年ほど後、ダグラスの友人がヴィクターと会う機会に恵まれ、その日のことを覚えているか尋ねた時でした。「そして彼は本当に覚えていたのです」とDouglasは言います。「事細かに詳細をね」。彼はその運命的なニューヨークの夜に使用していたハッセルブラッドのパフォーマンスに感銘を受け、最終的にキットを購入しました。それが今日も続く関係の始まりでした。彼は、ブリジット・バルドー、キャサリン・ドヌーブ、マレーネ・ディートリッヒ、マン・レイ、チャーリー・チャップリン、ミック・ジャガー、スティング、アンディ・ウォーホルなど、ハッセルブラッドで撮った人物の名前をスラスラと挙げていきます。そして、彼のセレブシーンでの活躍を支えたのは、もう一人のハリウッドスター、エリザベス・テイラーでした。1961年にルック・マガジンの仕事でエリザベスを撮影した写真が彼を一躍有名にし、その年の後半に雑誌の25周年記念号でマリリン・モンローを撮影する仕事につながりました。

Kirkland with Judy Garland, 1961
© Douglas Kirkland / Iconic Images

Audrey Hepburn, 1965
© Douglas Kirkland / Iconic Images

Brigitte Bardot, 1965
© Douglas Kirkland / Iconic Images

ハッセルブラッドで写し出されたマリリン

その時の仕事は結果として今日でも心に響く作品となりました。そしてそれが形になったのはひとえにマリリンの力でした。「撮影はハリウッドの写真スタジオで行われました」、「自分が撮りたいと思う彼女の写真は分かっていましたが、恥ずかしがり屋のカナダ人は、どうやって表現をしたらいいかわかりませんでした。それをマリリン自身が進んでやってくれました:彼女は私たちにベッドといくつかの白いシルクのシーツ、フランク・シナトラのレコード、そしてドン・ペリニヨン・シャンパンのボトルが必要だと言いました。彼女はローブを着て、徐々にそれをシーツの下に脱ぎ捨てました、それが彼女が撮りたかった写真でした。」

Marilyn Monroe, 1961
© Douglas Kirkland / Iconic Images

ダグラスは部屋のバルコニーに腰掛け、真下を向いて撮影することができました。その後、休憩の時にマリリンは彼以外のスタッフ全員に部屋を出るようにいいました。「彼女は言った。“この男の子と二人きりになりたいの。そうするといつもうまくいくの”と。」、「私は彼女と二人きりになり、写真はさらに官能的な表現となりました。」結果としてマリリンの最後の1枚となったので、この撮影はさらに心に響くものとなりました。彼女は次の8月に亡くなり、写真はハリウッドの大スターの後世に語られる遺産となりました。



4人の写真家、ガンジス川を行く

ガブリエル・フローレス、ジョー・グリア、ジェレミー・スネル、ダン・トムの4人の写真家は、1億人以上の信者が集まるヒンドゥー教の巡礼「クンブ・メーラ」が行われるインド中部のガンジス川に向かい、ユニークな視点と個々の写真スタイルでこの異文化の旅を記録しました。

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ハッセルブラッド H6D-100c 

日本画の最大規模の展覧会「院展」の図録の作成およびアーカイブ化に活躍

より多くの光を取り込むことができる、一億画素のセンサーを搭載したハッセルブラッド H6D-100cは、高解像度の画質が求められる美術作品の撮影でも多く活躍しています。公益財団法人日本美術院が主催運営している日本画の公募展覧会の院展の図録の作成およびアーカイブ化でもH6D-100cの最高クラスの画質と解像度は、その性能を最大限に発揮しています。

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TOM OLDHAM

クルーナーズの最後

ポートレートフォトグラファーのトム・オールドハムのシリーズで受賞歴のある、「クルナーズの最後(The Last of the Crooners)」は、ロンドン東部にある彼の地元のパブ「パームツリー(The PalmTree)」で出会ったジャズミュージシャンのグループを撮影した作品です。

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Anna Davis and Daniel Rueda

新製品907X 50Cで視覚的世界を広げる

クリエィティブデュオで、ハッセルブラッドアンバサダーのアンナ・デービスとダニエル・ルエダは、新製品907X 50Cの発売を祝い、ハッセルブラッドの長い歴史からインスピレーションを得て、ハッセルブラッドの最も有名な特徴を表現した作品を発表しました。彼ら独自の視覚的世界が広がる、「クローン作成の状況」、「レコードプレーヤーとの融合」、「自身の星座のマッピング」などの各作品はNASAとの協業へも繋がった、ハッセルブラッドカメラの「優れた耐久性」、「クラシックなデザイン」、「テクノロジーの背後にある革新性」を具現化したものです。

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Adam Weist

冒険心を掻き立てるニュージーランドの亜熱帯雨林と活火山

世界が一変した2020年3月、ロサンゼルスを拠点とするフォトグラファーのアダム・ウェイストは、世の中の喧騒から離れ、地球の反対側のニュージーランドの魅惑的で夢のような景色の中にいました。亜熱帯雨林の豪雨の真っ只中から活火山の雪嵐まで、X1D II 50Cで撮影したアダムの作品は、ニュージーランドの美しさを見事に映し出し、風景写真家の憧れの地に私たちを誘います。

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Ole Marius Joergensen

セールスマンを主人公とした優雅な小作品

一昔前を象徴するセールスマンは、オレ・マリウス・ヨーゲンセンのシリーズ「Vignettes of a Salesman」の中心的存在です。 オレは、ノルウェーの風景を背景に鮮やかな映画のような照明を使用して、この物語を紡ぎました。

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Bjørn Wad

ノルウェー人アーティストの人生

ビヨルン・ワッドは、ハッセルブラッド503CWで19人のノルウェー人の現代アーティストの見事なモノクロフィルムポートレートと、アートブックKunstnerliv(アーティストライフ)のための彼らの作品を撮影しました。

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TERUYASU KITAYAMA

ハッセルブラッドの中判デジタルで広がる天体・星景写真の世界

大きなセンサーで光を捉え、高い描写性にアドバンテージを持つハッセルブラッドの中判デジタルカメラ。ハッセルブラッドで捉えた夜空は、普段肉眼で見ることができない特別な顔を見せてくれます。天体に魅せられ、星景写真家となった北山輝泰さんに、中判デジタルで撮影する星空の魅力について伺いました。

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