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インタビュー:タカ・マユミ|Taka Mayumi

Hasselblad Japan Interviews vol.1


ファッション、ポートレイト、広告などさまざまな分野で活躍するフォトグラファー、タカ・マユミ。一歩一歩自分の足で独自の表現を探し求めてきたマユミによる、シネマティックなライティング、洗練された美しさ、シュールリアリスティックな世界観は、唯一無二の存在感を放つ。ユニークな経歴、思い描く絵を作リ上げるための飽くなき探究心について語る飾らない言葉からは、軽やかながらも情熱的な、写真への真摯な想いが伝わってくる。

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Photo: Cedric Diradourian / H5D-200c MS


写真との出会いを教えてください。

小学校3年生から大学まで野球を続けていましたが、プロにはなれないと思っていたので、それまでの経験がいかせるスポーツ記者になろうと思っていました。卒業後にジャーナリスト専門学校に入り、漠然とスポーツ記者には写真も必要かなと思って、学校で週に1回開催されていた写真の授業に無理矢理入れてもらいました。そのとき、最初に撮影した1ロールを見て、「オレ、世界を撮れる!」と勘違いしちゃったんです。写真は、それからです。

 

Taka Mayumi 1

ファッションに興味を持ったきっかけは?

90年代のテレビ番組で『Vogue Italy』に日本人モデルをデビューさせる企画を見て、「こんな世界があるんだ」と興味が沸いたんです。それで、『Vogue Italy』を見て衝撃を受け、「これだ!」と思いました。単純ですよね(笑)。

 

写真の技術は、どこで習得したのですか?

漠然と「とりあえず、写真スタジオに入った方がいいんだろうな」と思い、北新宿のスタジオに約2年務めました。暗室があったので、仕事が終わった後にそこで夜な夜な自分の作品を現像していました。若かったし、集まった仲間とも写真の話しかしてなかったし、睡眠時間が2、3時間になっても純粋に楽しかったですね。そこに80年代からの『コマーシャル・フォト』が置いてあったので、現像中の写真が乾くまでずっと読んでいました。そこで、ケイ・オカダさん、サトシ・サイクサさんの写真がひっかかったんです。その後、ケイさんに師事したんですけど最初から「海外に行きたい」と伝えていたので、「それなら早く行った方がいい」と言われて3ケ月でアシスタントを辞め、2000年に渡仏しました。写真はほぼ独学だったので、まだ技術的な部分には不安を感じていました。

 

パリから受けた影響とは?

何も知らない状態でパリにいったので、影響力は大きかったですね。パリでは、みんなで面白いことをやりたいという人たちに恵まれました。モデルも無償で協力してくれますし、場所もただ同然で使え、貧乏フォトグラファーに見方してくれる機材屋もあり、お金をかけずに作品撮りをすることができたのでいろんな実験をすることができました。また、パリではものすごく考えながら撮っていましたね。2007年ごろから雑誌から声をかけてもらえるようになったんですけど、コレクションのタイミングで年に二回だけ発行される雑誌もあるので、半年間かけてアイデアを練ったストーリーもあります。

 

パリでは、どういったところが評価されていたと思いますか。

たとえば、『French』という雑誌を発行しているティエリ・ル・ゴウというフォトグラファーにブックを見てもらえる機会があり、写真をコラージュした作品を気に入ってもらったんです。実は、広角レンズを持っていなかったので、ならば単焦点レンズで撮った写真を張り合わせようと思いついたアイデアだったんですが(笑)、その世界観で16ページまかされることになり、その後も定期的に作品を発表させてもらえるようになりました。パリでは、ありふれたイメージではなく、見たことのない写真、アーティスティックな表現を求められていたと思います。

 

Taka Mayumi 2

Taka Mayumi 3

日本へ帰国した理由は?

フランスで好まれる、わかり易く、セクシーな表現と自分の行きたい方向性とのギャップに疑問を持ち出し、一度止めないとまずいことになるなと思って3年程前に日本に戻ってきました。

 

カメラは、フィルムとデジタルのどちらを使用されていますか。

パリにいた頃はフィルムでしたが、日本に戻ってきてからは、ほぼデジタルで撮影しています。納期が近いので(笑)。デジタルに移行したいと思っていたタイミングでハッセルブラッドがデジタルバックを出してくれたので助かりました。ハッセルは、アーヴィング・ペンなど好きなフォトグラファーも使っていましたし、生理的な感覚なんですけど、モノクロもカラーもハッセルで撮っているときが一番気持ちいいですね。

 

世界観を作り込むために撮影以外に行う作業とは?

デジタル否定派ではないので、合成もよくやります。最終的な絵でどれだけ人を感動させることができるかが重要なので、合成やデジタルが悪いと言う考えは持っていません。アナログな部分では、最近、セットを組むのにはまっています。以前は、プロにお願いしていたんですが、微妙にニュアンスが違ったことがあったので、ならば自分で作ってしまえと。最近、友達のフォトグラファーに、「タカさん絵描きだよ」って言われて、ちょっと腑に落ちました。

 

撮影する前に、ある程度絵を決めていますか。

だいたい決めています。特にライティングは。自然光が一番好きなんですけど、自分がイメージした絵に合う光はちゃんと作りたいと思っています。ただ、光は関係ないってときもありますけどね。光だけきれいでも伝わらない写真はたくさんありますから。

 

Taka Mayumi 4

ポートレイトを撮るとき、被写体のどういった魅力を引き出したいですか。

結局、目なんです。見るだけで絵になる、目に力がある人はなかなかいない。じっとカメラを見れる人は年に1、2人出会いますが、すごく少ないですね。死んでいない目をとるにはどうしたらいいかと考えながら撮っています。どんなにひかれようが、一緒に踊ったり、バカなことをやったりします。別に踊っているところが撮りたいのではなく、気持ちがほぐれたところを撮る。でも、人によっては何も言わず、なかなかシャッターを切らないこともあります。被写体を見たときの感覚で対応します。

 

パーソナルワークの制作も続けていますか。

実は、半年くらい前から作品撮りを再開したんです。いまは、仕事もパーソナルワークも両方大事なので、仕事とは別で自分の表現をする場を作ることでバランスを取っています。いまは、ヨーロッパのように自由にできることがすばらしいとは思っていなくて、規制の中でしか生まれないクリエーションもあると考えています。ただ日本にいると自分の世界に集中できない部分もあるので、難しい場合もありますけど、もしかしたら自分の場合は、10年、20年後によかったなと思うかもしれない。それによって違う化学反応が起こることもあると思いますし、悪いことばかりではないと思います。日本に戻ってきて、環境も変わり、見るものも変わってくるので、作品も変わってきていると思うんですけど、自分が思い描く表現まで、死ぬまでにたどり着けたらいいですね。

 

パーソナルワークは、どちらで拝見することができますか?

フランスの雑誌に声をかけられて、パーソナルワークのいくつかを掲載しました。2015年12月に1ヶ月遅れで出版されました。海外では時期がずれることはよくあることです。パーソナルワーク用のウェブサイトを作る予定なのですが、そちらも時間がかかりそうですので、少々お待ちください(笑)。


タカマユミ

ケイオガタ氏に師事後、渡仏しフォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせる。10年活動をしたパリを離れ、現在、東京に拠点を移し、ドラマティックなライティングとTAKAの世界観で強い支持を受け、広告、雑誌等で活動中。


Writer: 東 直子

Photo: Taka Mayumi / 503 CXi & CFV-50c

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